大前提




 30年前の織田との決戦で、破魂波にさらされたのは、最後の最後で景虎をかばい、盾になった直江。
 彼を見失ったまま、宇都宮・光厳寺の三男「仰木高耶」として生きてきた、今生の上杉景虎は今年28歳になる。
 彼は、再び人として生まれてしまった「かつての上杉景勝=弥勒」である成田譲を見守るため、松本を訪れる。
 しかし、その少年の隣に立つ親友・橘義明の中に、彼が見いだしたのは、400年間、常に自分の傍らにあった直江信綱の魂だった。

 (このあと、原作のエピソードを少しずつ借りながら、進みます)

 現名はそのまま。
 つまり、宇都宮・光厳寺は仰木家。
 松本の高校生の家は、橘家。
 高耶さんの家族構成や家庭の状況は、原作の橘家のままですが(名前は違います)、直江の方は、我が友Yの、
「ビンボーな直江はだめ〜!
 あと、たとえ妹でも『女』がそばにいちゃだめ〜!!」
というキツーーいおたっしがありまして、「そこそこお金はあるが、両親は不和、母は出奔。残された息子たちに無関心な父を厭って、弟とともに自立する夢を抱いて、エリートコースを目指している少年」になりました。
 他のメンバーにも少々変更が入っていますので、簡単な人物案内を。


橘 義明(直江信綱)⇒ 松本・城北高校の二年生。
            家庭を顧みない父、大人になりきれないまま、実家に
            逃げ帰った母。金銭的不自由はないが、
            情愛の少ない家で、3才下の弟弘明と支えあってきた。
            早く父から離れ、自立したいと願って、
            勉学に打ち込む優等生。

仰木高耶(上杉景虎)⇒ 宇都宮・光厳寺の三男。四人兄弟の末っ子。
            今年28才。
            30年前、宿敵織田信長との戦いで400年をともに
            してきた後見人・直江信綱を見失い、後悔と絶望に
            苛まれながら、今生を歩んできた。

門脇綾子(柿崎晴家)⇒ 30年前の決戦後、一旦換生したが、
            2年後にまた死を迎え、高耶より3才下の25才。
            短大を出たあと自立。横浜に住む。
            フリーライターと称しているが、実際はマカオに
            卒業旅行に行き、荒稼ぎした資金で投資、
            マネーゲームで生計を立てている。

千秋修平(安田長秀)⇒ 色部が死に際して捜し出し、景虎の力になって
            欲しいと頼んだので、3年前から彼の補佐を
            務めている。
            年齢は高耶と同じ。城北高校へ教師として潜入。

色部勝長      ⇒ 現在、幼児、らしい。

高坂弾正      ⇒(正体がわかったので、はじめより派手にいってもらう)
            いにしえからの弥勒の監視者。
            譲本人には目覚める意はないものの、こぼれでて
            周囲に影響を与えるその力をそのままにしては
            置けないとして、彼が「人」であるうちに亡き者に
            しようと画策する。










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